ミライ会議

伊豆長岡温泉未来ビジョン(2020年度 初版)の策定

伊豆長岡温泉場のまちづくり指針である伊豆長岡温泉未来ビジョンとは?

2020年、伊豆長岡温泉ミライ会議は、大切な地域資源である温泉を守りながら地域で暮らし続けられるコミュニティを目指し、「温泉のある暮らし」をテーマとしたまちづくりの指針である「伊⾖⻑岡温泉未来ビジョン」を作成しました。
今回は、未来ビジョンを策定するに至った背景やミライ会議の目指すところについて説明します!


伊豆長岡温泉ミライ会議とは

国土交通省による「居心地良く歩きたくなるまちなか」の形成をはじめとする多様な人材の集積や様々な⺠間投資を惹きつけ、都市の魅⼒・国際競争⼒の向上を目的とした取組を⽀援するために設立された「官⺠連携まちなか再⽣推進事業」の採択を受け、地域や自治体、⺠間事業者(当初22団体)が連携してつくるエリアプラットフォーム(会議体)として「伊⾖⻑岡温泉ミライ会議(以下、ミライ会議)」は設立されました。
ミライ会議では「温泉のある暮らし」をテーマに掲げており、大切な資源である温泉を守りながら、地域で暮らし続けられるコミュニティの創造を目指しています。

図:国土交通省「官民連携まちなか再生推進事業」の概要(出典:国土交通省 都市局 まちづくり推進課)

伊豆長岡温泉未来ビジョンの策定

2020年当時、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により国際観光客数が激減していました。翌年開催予定であったオリンピック・パラリンピックに関連して、海外からの観客受け入れを見送る方向で調整が行われており、海外宿泊予約のキャンセルなど観光業を中心とした伊⾖⻑岡温泉エリアは大きな打撃を受ける事態に陥っていました。
⼀方、温泉場の賑わいづくりを目指す「伊⾖⻑岡温泉 お散歩市」を中心とした創意工夫あるイベントの開催をはじめ、地域住⺠やパブリックマインドをもった⺠間企業の積極的な行動により遊休施設であった南山荘や温泉駅、空き店舗の有効活用が実施されており、まちづくりの主体が行政から⺠間へと移行する転換期を迎えていました。

人口減少の縮小社会に突入したこれからのまちづくりでは、様々な活動を行うまちの主役である⺠間の主体性を重視して「どのような暮らしをしたいか、どのようなまちにしたいのか」といった⺠間の声を反映したまちづくりの理念を官⺠で共有する必要があります。
市⺠、企業・⺠間団体、行政等、地域に或る個人や団体が地域の課題を「我が事(わがこと)」として捉え、課題解決に取り組む必要性を認識すること。それぞれが主体的に関わることができ、実際のアクションにつながるきっかけとなるように、伊豆長岡温泉場におけるまちづくりの指針となる「伊⾖⻑岡温泉未来ビジョン(以下、未来ビジョン)」を策定することとしました。

まちづくりの方向性とコンセプト

現状分析及び市⺠へのアンケート結果、ミライ会議・3部会での議論・お散歩市での社会実験を行うなかで、伊⾖⻑岡温泉エリアが有する温泉資源・地域資源を最大限活かしながら、今後も持続可能なまちづくりを行うための4つのテーマと、実現に向けて必要な4つの視点を整理しました。

図:まちづくりのテーマと実現に必要な視点(出典:伊豆長岡温泉ミライビジョン 初版)

テーマの実現に向けて必要な視点をふまえ、わかりやすいまちづくりのコンセプトとして次の4つを掲げました。このコンセプトに基づき、各エリアのまちの将来像のイメージ、実施施策を具体的に検討していくこととしました。

図:4つのまちづくりコンセプト(出典:伊豆長岡温泉ミライビジョン 初版)

9つのプロジェクトで構成される未来ビジョン

未来ビジョンでは、計画エリアを4層で設定しています。立地適正化計画における都市機能誘導区域かつ、観光地エリア景観計画で定めた温泉景観エリアを含む、3層目の温泉景観周辺エリアまでを事業範囲とし、伊豆の国市が定める法定計画やまちづくり構想と整合性のあるエリア設定を行っています。
そして、4つのまちづくりコンセプトを実現するためのプロジェクトとして、観光や生活拠点の強化、地域周遊の機会向上、温泉場空間の形成などを目指す9つの取り組みを掲げました。

図:エリアとプロジェクトの関連図(出典:伊豆長岡温泉ミライビジョン 初版)

 

未来ビジョンの詳しい内容については、こちらをご覧ください。